連環の理

十八巻。呼延灼の連環馬で童貫軍へ一万の損害を与えたけれども、童貫の魂に火をつけちゃった感もあってさらに熾烈な戦いに。ついに二竜山が陥落。解珍が最後まで味のある人物でありました。秦明も厳しい人ではあったけど、渾名のわりに滅多に怒鳴らなかった気がする。むしろ我慢強かったような。丁得孫はどうしちゃったんでしょうかね。それはまあさておき、

いよいよというか、ついにこの日が来てしまったという感じで、豹子頭林冲が死んでしまったわけですけれども、

何と言っても第一巻から主人公然としていたのは林冲であり、妻を失い牢に入れられ、安道全と白勝を担いで脱獄し、梁山泊に潜入して王倫の首を撥ね……、振り返ると随分とキツイことやらされてるな。常に死の匂いが漂っていて、中盤あたりで死ぬんじゃねえの?と恐る恐る読んでいったりもしましたが、この終盤まで生きていたのはいい方だったのか。張藍絡みの話は読んでて辛かったり、扈三娘をぶん投げたときはドン引いてしまったけれども、颯爽と現れては官軍を断ち割って行く林冲こそ主人公であって、やっぱり梁山泊林冲ですよ。

あと北方謙三水滸伝の、人馬一体となって戦場を駆ける描写がすげえ好き。馬と思わず友と思えってのは作中の誰の台詞だっけ。そんな台詞なかったか。妄想か。百里風に話しかける林冲がかっこよかった。
そんな林冲の騎馬隊を楊令が引き継いでいよいよ決戦へ。次は最終巻。ああ……終わってしまうのか水滸伝……。